ミレニアム時代になってSACDが出始めた頃、CDに取って代わるだろうと言われ、配信やハイレゾの台頭でCDの終焉は近いと言われ続けてきた。でも未だにCDは消えない。
これについてググってみると、やはりいろんな意見がすでに出されていて、どれもなるほどな~と感じ入る内容だ。しかし、この不思議な状況は日本に特化したものらしい。他の国ではとっくにCDは過去の遺物となっているようだ。CDで音楽を聴く趣味人としてはウレシイ限りである。
グローバルな視点で見ると、日本人の気質がパッケージメディアから離れがたいのだと言う。では視野をオーディオ趣味人に絞るとどうだろう。本来なら、遥かに高音質が得られる手法だとなれば真っ先に手を出しそうだ。しかし、むしろ一般人より普及していない。面倒なアナログがなくならないのも、趣味は不便なほど面白いからだろう。CDはアナログに比べれば便利になったが、デジタルの器としては不便なものだ。すると技術者はその不便な制限を何とかしようと頑張る。これも言わば趣味人だ。そうなれば高額機器を買ってくれる趣味人のために、専門店は過去の技術であろうと擁護する。もちろん、評論家も国内で敵を作りたくないから応援する。
日本のオーディオ界は、日本的な趣味人気質がサイクルとなって陳腐なデジタルメディアが消えないでいる。海外のハイエンドCDプレーヤーは、日本市場をターゲットにしているらしい。雄大な絵を描けと言われたとする。際限のないキャンパスに描くより、A4サイズでやってみろと言われた方が燃えてくるものだ。窮屈な枠に縛られて四苦八苦するのは日本人の得意とするところなんだろう。