シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

FAL C90の修理 その後

 リニューアルしたユニットを換装して、音出し3時間が経過した。それまでは出足がまだ不安定だったのか、音圧が高く感じてみたり低音の出方が変化してみたりと傾向がつかめずにいた。もちろん、元の音から大きく逸脱するようなことはない。だから、このまま以前と変わらぬ音質に落ち着いてくれればいいや・・と思っていた。それが期待を超えてくれたのである。

 それは、もうする事が無いか・・と思っていた以前の音を、まさに踏み台にして高みに届いた感じだ。どの帯域であれこれ・・という向上ではなく、SNや分解能、全域のレスポンスがワンランク上に達している。だからこれまで埋もれていた音やニュアンスが、気負って構えなくても聴こえてくる。分析試聴するような要素のみならず、音楽を聴いてゾクゾクするリアリティが素晴らしい。滲みや混濁の無い声が、再生音とは思えないほどだ。不思議なのは、録音が悪いと思っていた古い曲が見違えるほど高音質に聴こえるのである。

 結果が良ければ、理由は何でもいい・・と言いたいけど、やはり何が要因なのか考えてみたい。エッジの交換は、それほど大きな影響を与えているとは思えない。旧エッジでも長年使用して十分な柔軟性を持っていたからだ。となると、表面処理の修繕によるところが大きいのだろう。長年使っていると、劣化の音への影響に気がつかないものだ。

 FALの古いユニットが劣化したと認識する御仁は、ぜひレストアすることをお勧めする。その費用で買えるスピーカーなんてロクなものは無い。

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下にあるパッシブラジエターは従来のまま。同じ箱で新旧並ぶ様は他では見られない。