アンフィオンのスピーカーを聴くのはこれで4台目だ。Argon0、Argon1、helium410、そして今回のArgon3だ。小型スピーカーの中で一番注目しているアンフィオン。Argon3はブックシェルフでは一番大きい。16㎝ウーハーを持ち、背面にパッシブラジエターを持つ密閉型である。Argon1はバスレフらしい柔らかい低音がスケールを演出していて、どちらかというとhelium410の延長上にある気がする。Argon3は構成からすると、硬派なArgon0の素性がありそうで、楽しみにしていた。
前回同様、ソフトは耳タコのハンターを使う。さらにダイアナ・クラールも聴いてみたが、その音はArgon1のさらにスケールアップであって、もはや大型スピーカーの様相だ。クロスオーバー周波数が低いので、どのスピーカーも見事に中域以上は同じ。もう少し締まった力感のある低音をArgon3には期待したが、まあこれはこれでアンフィオンの統一した音色なのだろう。初めて聴いたArgon0だけが異端児の魅力を持っているようだ。
Argon3には背面にスイッチ切り替え式のアッテネーターがある。高域が1㏈だけ変わる微妙な調整に使うものだ。実際、試聴時に切り替えてみたが、ほとんど分からなかった。
現用のTADモニターは、Argon3よりも遥かに小さいが20㎝ウーハーを持つ密閉型だ。そして曇る帯域は欠片もない。今後、TAD PRO TSM-2201-LRを上回るコスパを持つスピーカーは、もう出てこないかもしれない。