シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

諸星大二郎 近年作

 近年の諸星大二郎作品を3冊紹介する。

 まずは2015年出版の「あもくん」。霊感の強い父親が主人公で、その息子も利発ながら同じ血をひいている。幼少の頃のあだ名が「あもくん」だ。結構ダークなファンタジーなのだが、この親子はそんなオドロオドロシイ状況に慣れてしまっており、そのあしらい方が実に面白い。まさに諸星大二郎でなくては表現しえない味がある。

 2017年出版の「雨の日はお化けがいるから」は、ビックコミック連載短編集の1巻目。冒頭収録の「闇綱祭り」は往年の諸星ワールドで、妖怪ハンターに収録されてもおかしくない。ただ、この短編集は彼が休憩がてらに描いたような作品もあり、一貫していない。

 2019年出版の「オリオンラジオの夜」は、上記短編集の2巻目になる。しかし、趣きはこちらの方が心を惹かれる。特にオリオンラジオにまつわる6作品は、昔の名曲をモチーフにした粋なファンタジーだ。

 彼の作画は子供の可愛らしさが秀逸で、特に登場する女の子はいとおしくてたまらなくなる。(別に危ないオッサンではない。)デビューしたての頃は本当にヘタクソだったが、今では孤高の味わいを持つ画に昇華している。

f:id:sima1234:20190825143455j:plain