オーディオは、趣味の時間が終われば即電源を切る。それが電化製品を使う節電の常識である。もちろん、オーディオ機器は電源を入れてからベストパフォーマンスを魅せるまで、時間が掛かることは承知している。
今まで、CD一枚分鳴らして置けば良い状態になるので問題にもしなかった。これを電源入れっぱなしにすることに意味があるのか、試してみることにした。
そもそも、外国製のアンプは背面に電源スイッチがあるものが多い。電源を切らない前提なのだ。しかし、管球式のDACや、発熱著しいJ2はマズイ。よって、サブシステムで実験しよう。パワーアンプはフライングモールだし、DACはCDP内蔵のSACDラインで聴けばいい。聴いてから、2日後(48時間通電状態)に再試聴する。
これが耳を疑うほど音が良質に変化しているのである!何を聴いても素晴らしいパフォーマンスで、密閉箱の宿命である詰まった音は一掃してしまった。ヘビメタを爆音で鳴らそうが、リミッターの掛かっていないCDを大音量で鳴らそうが余裕だ。小型SPの欠点がまったく感じられず、メインのFALを凌駕してしまったではないか。
これほどの違いがあるとは・・目に鱗である。TADモニターから、こんな音が出てくるのなら、まったく買い替える気は失せた。理由を考えると、デジタルアンプの寝起きの悪さが想像以上ということだろう。思えばDAD-M100proはプロ機である。発熱もほとんど無いため、放熱口すらない弁当箱なので待機電流も僅か。付けっ放しで置くのが当然なのだろう。
しかし、困った。プリからそのまま2系統のパワーアンプに接続してあるので、メインのFALを聴くときはサブの電源を切らざるを得ない。いかに多機能プリでも、2系統のXLR出力ラインを切り替える機能は無いのである。かといって、高級セレクターを導入するのは避けたいなあ・・