シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

選択その3 大型か小型か

 スピーカーを選ぶとき、まずここを決めなくてはならない。
 双方にはその再生音に大括りな特徴があって、スケール感の大型に対して音場感の小型と言っていいだろう。しかしそれも一般論だ。
 今では大型でも緻密な設計と形状によって素晴らしい音場感が得られるし、小型とは思えないスケールで圧倒される音に出会う事もある。スピーカーは今でも物量と手間が音質向上に寄与するため、高級機になるほど実力は比例する。だから無理してでも良いスピーカーを買って、安物アンプでとりあえず音を出しながら将来の構想に浸るのだ。
 10年ほど前、オーディオコンサルタントの加銅鉄平氏のホームページで、喧々諤々の議論があった。加銅氏は日本オーディオの技術者から代表となった著名人で、著書も多い。その当時、加銅氏はスピーカーは大型以外は認めないと言い切っていた。氏のホームページの掲示板は、小型スピーカーを擁護するファンの書き込みが多数あったようだが、氏が認めた書き込み以外は掲示しないスタイルであったので真相は不明だ。オイラも議論に参加した一人であり、技術的に小型擁護派を論破する氏に対して、オイラは経済的に小型しか持てず、部屋が狭いファンの立場も考慮しろと訴えたものだった。氏はオイラの投稿をアップしてくれたが、対する回答は無かった。因みに氏が絶賛していたスピーカーは、ダイヤトーンのDS-V9000である。
 大型スピーカーはウーハーが大きくなる傾向にある。FALのように例外もあるが、JBLのサンパチなどがいい例だ。しかしそれ以上はほとんど見かけない。大きなウーハーから得られる低音は、小型から繰り出される低音とは全く違う。前述のスケール感を挙げる理由の基がこれだ。はたしてどちらがリアルなのだろうか。
 大型ウーハーを反応良く駆動するにはアンプに物量が必要になって行く。また、小型の音場感を得ようとすれば大きな部屋も必要となる。逆を言えば、それがクリアできれば大型は小型のメリットも抱合し得て、理想的なシステムになる・・となって世のハイエンダー趣味人のシステムは膨大なものになるわけだ。小型ではここまでの発展は望めない。よって、極めようとする御仁は加銅氏が言うとおり、大型スピーカーを操るのが正道だろう。
しかし、オーディオ界の著名な論者の中には大型から小型に乗り換えた人もいる。これは批評する立場から、一般的な機器を使う必要もあるからだろうが、現実的な目線でオーディオと付き合う踏ん切りも必要というわけだ。