オーディオに興味津々となって間もなく、スピーカーの買い替えが必要となった。学生の頃から使っていたSONYのSS-V2Mのエッジが加水分解してしまったのだ。
この頃のスピーカーはエッヂがウレタンのものが少なくなく、経年劣化でボロボロに崩れてしまう。実家のオイラの部屋は湿度の高い悪条件ゆえ、10年持たなかったようだ。しかしオイラは好機とばかりにウキウキで情報収集に明け暮れ、ついに新しく迎え入れたのが、ダイヤトーンのDS-500という小型ブックシェルフだった。選んだ理由は、スペースファクターもあるが、駆け出しのオーディオ知識を誌面から得て好感触を持ったからだ。デザインも好みで、ろくに試聴もせず購入。
最初の一聴で困惑した。大人しい・・スカっとしないし、低音が出ない。音質はいいのではないかと納得したいが音楽が寂しいのである。ここでオイラはオーディオはスペックではなく、小型のスピーカーからは雄大な低音は出ない事を知った。そして、サブウーハーという手を知り、YAMAHAのYST-SW50という機器を導入して3D方式となる。この時の経験が、今のサードシステム構築に役立っているわけだ。
小型スピーカーにはメリットもあることを知った。音場感を得やすいのだ。それで音場を極めたいと、FOSTEXを使ったスピーカー工作に嵌ったり、様々な音場を創生してしまうYAMAHAのDSP-100を使った7チャンネル再生に向かっていくのだった。
DS-500からは小型スピーカーの限界とメリットを学び、サブシステムの土台となったと言っていい。
たまに中古で見かけるが、例外なくエッヂはカチカチで使い物にならない。まあ、DIATONEはほとんどそうだ。エッジにビスコロイドが使われる前の大昔の中古品なら問題ないというのも皮肉である。