シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

選択その2 XLRかRCAか

 現在、SACDラインはXLR接続で、日本オーディオのDACを介すCDラインはRCA接続となっている。
 民生機器はゼネラル商品レベルではXLR端子が無い。理由は民生用としてバランスケーブルが一般的でないし、対応機器自体が安価に作れないからだろう。昔は普及品でもXLR端子を付けたエセ高級仕様が流行ったが、無駄な反転アンプを介するだけでメリットは無いと、(故)入江順一郎評論家は言っていた。元メーカー技術者の方がよく思い切った暴露をしたものだ。(先輩の藤岡誠氏から始めは商品紹介に留めろと忠告されたが、板に付いた頃合いで意見を言いたくなったのだろう。)
 よって、安価な商品にXLRの恩恵は無い。そもそも、ケーブルの長回しによるプロ現場でのノイズ混入や、不意の脱落防止を考慮した仕様なので、家庭使用に積極的採用の理由は無い。ただ高級機器の場合、その音色に違いを見せる場合があるので、趣味性があると言われている。
 実際、XLRとRCAの音質差は分かりにくい。ゲインが違うし、接続ケーブル自体が変わってしまうからだ。聴感的に同条件で比較するのは困難であるため、メーカーが設計上XLR接続を勧めると言われれば、精神衛生上も選択したくなるだけである。音圧が稼げるというメリットも、非力なアンプのカバーには成り得ないと知った。
 ケーブル自体を比較すると、XLRの方が高価になる。そのくせ端子までオリジナルで作るメーカーは少なく、ノイトリックやスイッチクラフト製のプラグを使うことが多い。またXLRは、信号線の正相が2番ピンか3番ピンか気にする必要があるのが面倒だ。最近、その逆相による音の違いを知ってしまったので無視もできなくなった。
 総じて、RCAの方が使いやすくて選択肢も多いため、理由がなければXLRにする必要もないと言えようか。