シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

トゥームレイダー ファースト・ミッション(ネタバレ)

 シネマイレージ会員で無料鑑賞した。例によって、原作やゲームの事は知らないので、バイオハザード同様に単品映画の一つとして無情報での鑑賞だ。
 トゥームレイダーは、ご存知アンジェリーナ・ジョリーがマンガチックな主人公を演じて大ヒットした。オイラも好きな作品だ。今回のリブート版は、まさにOO7シリーズがダニエル・クレイグによって、リアルアクションに様変わりしたのと同じである。真面目なアドベンチャー・アクション劇画を目指しているので、それなりの観方をすることになる。つまり、アラがあってはいけないのだ。
 なのに、いきなり卑弥呼の妖術まがいの話がお宝と知って失望する。日本の沖にある魔海の孤島が舞台だ。( ̄∇ ̄;)どこか教えてくれ。そして、何故か日本はまったく舞台に乗らず、香港からボロ船で目指すのだ。島ではイグアナ?が生息し、卑弥呼の墓が超ハイテク技術で守られ、インディ・ジョーンズのように謎を解いて突き進むのであった。アラに満ち溢れた設定なので、諦めるしかない。アンジー版なら許せるのにねえ・・この監督は分かっていない。
 見所を変えよう。主演のアリシア・ヴィキャンデルは気合が入っている。とても「エクスマキナ」でのキュートな美形アンドロイドと同一人物には思えない。身体つきが完全にアスリートである。彼女の作品に掛ける執念は素晴らしい。それをこの監督と脚本は台無しにしてしまった。彼女の演じるララ・クロフトには、筋の通った光る個性が無いのだ。
 アンジー版は、ボンドになる前のクレイグを「アソコが可愛い坊や」とおちょくる強さがあった。アリシア版には何がある?真面目な頑張り屋だけでは、それを支える世界観がアラだらけなので哀れに見える。
 ご都合主義で謎が解かれていくのはまだいいとして、伏線の貼り方もヘタで唐突な印象が拭えない。例えば、卑弥呼の墓の入り口にあるパズルを何で簡単に解いてしまうのか。もう少し説得力のある伏線を前半に描かねばダメだ。それはラストシーンにも言える。
 ララが2丁拳銃を満足気に買うシーンで終わることは、トレードマークの付与としたかったのだろうが、演出として勘違いも甚だしい。本作中で彼女は銃とは無縁のアクションスタイルを魅せてきたのに・・銃を持ちたがる理由がない。むしろ、嫌う設定の方が相応しい。
 アンジー版のサイモン・ウエスト監督は、冒頭からロボットを銃で撃ちまくるアンジーを魅せて、ラストでも彼女らしさをリピートして幕引きとした。漫才のオチがハマった満足感があったものだ。
 アリシア版は、役者がいくら頑張っても製作サイドがマヌケなために残念な作品となった典型と評価しよう。

彼女のご主人はマグニートーだから怒らせたらヤバイぞ。