シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ブレードランナー 2049

 重い腰を上げてやっと観る気になった。気が乗らないのは時間が長いからだ。オイラにとって、2時間を超える作品はそれだけでマイナス点となる。2時間半を超えたら本来対象外なのだ。
 本作は1982年のカルト作品の続編で、時代は2049年という設定。もはやこの時点で苦しい。そもそも、前作の設定が2019年だからしかたがない。来年には植民惑星があって車も空を飛び、アンドロイドが社会問題になっていることになる。
 近未来SF作は粗方そんなものだから、パラレルワールドと割り切って観るしかない。内容はどうか。まず、こんな長い作品にする必要を全く感じない。90分位のB級作品にありそうなプロットだし、今の時代にそぐわない間延びしたカット割りに眠気が襲う。「メッセージ」同様、この長く静かな展開はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の個性だ。もはや次回以降の作品は観る気がしない。
 俳優のチョイスは面白い。「ララ・ランド」のライアン・ゴズリングを主役に据えた時点で、アクション主体ではないと宣言している。ハリソン・フォードを引っ張ってきたのはエライ。続編としての本気度が見える。それも後半になるまで顔を見せないのだ。前作に続いて出演しているのは彼だけではなく、エドワード・ジェームズ・オルモスがちょいと折り紙を折って出演。これは感慨深かった。容姿はもはやギャラクティカの艦長であるが。(*^.^*)
 他にも、デイヴ・バウティスタが意外な役で登場するし、ジャレッド・レトが盲目の科学者として不気味な佇まいで登場する。とても「スーサイド・スクワッド」のジョーカーとは思えない。
 そんな俳優の魅力でなんとか引っ張って、大した盛り上がりもなく静かに終える。無機質で荒廃した後の未来世界の雰囲気は、前作をしっかり引き継いでいるのは良い。重苦しさは前作以上だ。しかしやはりエキストラが少ないため、大作のくせに小ぶりに見えてしまう。
 音楽も前作のイメージを追ったものだが、これは気に入らない。あれはブレードランナーというより、バンゲリス独特の世界観であって、ハンス・ジマーが真似するようなものではない。オイラはハンス・ジマーの映画音楽が大好きなので、彼のスタイルで魅せてもらいたかったと思う。

この予告は詐欺に近い。こんなアクション映画風情ではないのだ。