昨年公開の実に邦題が陳腐なB級アクション作品。
主演はサム・ワーシントン。アバターの頃はまさに上り凧であったが、私生活の乱れでどん底へ。本来なら、今でも大作に主演を張ってもいい俳優なのに燻っている。
監督はジョナサン・モストウ。T3やサロゲートといった中級品で満足してしまったのか、あまり監督業に性をださない。つまり燻った者同士がタッグを組んでできた作品である。
その内容は、また実にオーソドックス。奮起してやろうといった気合が感じられない。あまりにも見慣れた設定と展開、何も新しいところはない。ただ、この主人公は今のサム・ワーシントンに合っている。
組織を裏切った殺し屋が、他の殺し屋に狙われる・・そこだけ見ると「ジョン・ウィック」と同じだ。本作を観ると、ジョン・ウィックがいかにマンガチックかよく分かる。それは悪い意味ではなく、作風の違いだ。
この地味で寡黙な殺し屋は、サムの燻った現状とマッチしてリアルだ。そこが妙に気に入った。しかし、あのラストは気に入らない。渋い味付けだけが唯一の魅力だったのに台無しである。やはり、監督まで燻っていてはダメだなあ。