シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ラン・オールナイト

 エスター、アンノウン、フライトプランと見事な作品を連発してきたジャウム・コレット=セラ監督、その最新作を期待を持って拝見した。そして、その期待は裏切られなかった。
 主演はリーアム・ニーソン、もはやこの監督とはベストコンビと言っていいだろう。セラ監督はニーソンの味を引き出すのが旨い。
 ストーリーは、マフィアの落ちぶれ殺し屋が、ドンのバカ息子を殺したせいで望まぬ戦いを強いられる話。ん〜最近観たような・・そう、「ジョン・ウィック」とスタートは同じなのだ。そこからが駄作と違い、家族(実生活の家族と組織としての家族)の絆をテーマにノンストップで突っ走る。TVゲーム感覚で突っ走るのとは違うのだ。
 主人公は酒におぼれ、身内に見放された元人間凶器。ホントによくある設定だが、やはりこれが似合うのはニーソンとブルース・ウィリスだろう。ニーソンはより悲哀が感じられるので、シリアスなアクションに向いている。そんな意味で本作は、オーソドックスな構成なれど大変満足感を得られた。
 敵対するマフィアのボスを演じるのはエド・ハリス。二人は無二の親友であるという設定。あまりこれを強調すると香港ノワールになってしまうところ、実によい加減に抑えた演技と構成で、ノンストップアクションのブレーキにならない重みになっている。
 本作で強いて難を言うならば、意外性の無さだ。伏線も分かりやすく、アクション映画ファンなら次の展開がほとんど分かってしまう。クライマックスに1つでいいから観客の予想を煙に巻く展開があってもいいではないかと思う。