シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

スターウォーズ/最後のジェダイ(ネタバレ)

 本作を観るつもりなら決して読んではいけない。
 この作品は賛否両論だという。批評家筋には概ね良好なのに対し、コアなファンからはシリーズ除外運動が派生するほど物議をかもしている。その理由は主人公レイの正体についてだろう。
「フォースの覚醒」で現れた謎の主人公レイは、突如フォースに覚醒してレジスタンスの仲間となって行く。ファンの間では彼女の正体について、あらゆる憶測が流れた。中でも一番色濃い線はルーク・スカイウォーカーの娘ではないかという予想だ。
 しかし、その予想は本作の二人の出会いによって見事に打ち破られる。非凡な能力者同士で血の繋がりがあるのなら、ルークがレイに「おまえは誰だ?」とは言わない。そして、カイロ・レンが彼女の親について非情なる説明をする。
 ファンにとって、このシリーズは特異なる能力の血筋を追った大河ドラマであって欲しいのだ。それを見事に裏切るショッキングなシーンと言えよう。彼女の親はわずかな金欲しさに娘を売り飛ばして逃げたクズであり、そんな彼女もクズ漁りをして育った普通の貧乏人だったのである。
 その発言自体が嘘の設定もあろう。しかし、残念ながらライアン・ジョンソン監督はそれを肯定してしまった。「帝国の逆襲」のクライマックス「ワシはオマエの父だ!」に比肩する驚きの設定と自己満足しているようで、どうも驚きと失望を取り違えているように思える。
「フォースの覚醒」でライトセイバーに引き寄せられ、幼少の記憶を想起させられたシーンは何だったのか。それだけではなく、J・J・エイブラムス監督はチラチラと主人公の素性にまつわる伏線を残している。さあ、そこでエピソード9である。
 J・J・エイブラムスが再びメガフォンをとると言う。おそらくファンが満足のいく正体に変えていくに違いない。この監督がコアなファンに背を向けるとはとても思えないのだ。