シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

必殺仕事人2016

 今年の必殺はひどい。年に1回のスペシャル番組となって以来、最低の出来だろう。
 話の内容、展開はまさにベタ。もうベタベタすぎて気持ちが悪いほどだ。まったく意外性もなく、極当たり前に終始する。しかもこれは、昔ながらの王道路線にすら至っていない。
 話の焦点が奉行所のリストラか鼻くそ風俗店かハッキリせず、実に散漫で無駄が多い。以前も言ったが、1時間枠でやるべき話を無理やり2時間に延ばした失敗作だ。
 主要キャラ達は相変わらずお人好しで、まったく裏稼業の人間が描けていない。今に始まった事ではないが、今回は特に鼻に付く慈善事業サークルだと言っていい。
 悪役の安田顕寺島進がせっかく味のある人間像を魅せても、シナリオがヘタレすぎるので頑張ったけど無駄だったねえ・・とお悔やみを言うしかない。
 では、どうすればよかったのか。惜しいところはあったのだ。仲間同心が殺されて、珍しく渡辺小五郎が奉行所で吠えるシーンがあった。ここから新しい展開が期待されたのに勿体ない。ごみ溜め同然な与力同心達が奮起し、敵討ちさながらの活躍を魅せつつ仕事人が裏からバックアップし、最後は表稼業でご政道に盾突けず・・こっそりと仕事人が片付ける。こんなシナリオなら納得だ。
 それかヒロインのお絹に絡むのはリュウに変更し、青臭いサブストーリーの花を持たせて、サッサと甘ったれな仕事人は殉職するのはどうだ。で、後釜に瓦屋の陣八郎が居座ればいいではないか。遠藤憲一はハード系の良いキャラを出しているし、和久井映見との犬猿なやり取りも楽しい。
東山紀之のキャラも板についてきたのに、スタッフがマヌケで材料を生かせない。哀れだなあ。

せめて寺島進が演じる鬼頭進之助はもっと話の中心に持っていくべきで、バックボーンを絡めて悲哀を描写する展開があってしかるべきだった。