シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ロボコップ

 ロボコップと言えば1987年のピーター・ウェラー主演の作品が金字塔であった。 バーホーベン監督らしいグロさ、主役の強烈な個性、そしてサイボーグの悲哀が見事にマッチした名作だ。このリメイクに挑んたのが2014年盤ロボコップである。このDVDが捨て値でワゴンに置かれていたので無期待で購入。拝見したところ、結構面白いじゃないか。
 当然、CGを使った派手なアクションは旧作と比較にならない。それよりも感心したのは、サイボーグ系作品のテーマをとても大事にストレートに表現していることだ。あまりマンガチックに流れず、終始リアルな表現に置いているので、主人公の悲劇と葛藤が上手く溶け込んで魅せてくれた。
 このベビーフェイスの若手俳優ポール・ウォーカー同様、強烈なオーラは無い。それゆえに普通の家族がある設定が自然だ。ピーター・ウェラーに負けない役者を・・と考えなかったのがエライ。その分、脇をゲイリー・オールドマンマイケル・キートン、サミュエルと思いっきり濃くしており、当然主役は喰われてしまうがそれでいいのである。以外にも、さらに脇役のジャッキー・アール・ヘイリーに味がある。ヒューマン・ターゲットのゲレロを思い出す。
 で、本作のサミュエル・Lジャクソンが実にユニーク。本編とは直接関わらないのにアメリカを揶揄する物凄いインパクト。彼の存在が本作を1ランク上げている。
 この若手監督はなかなかやりおる。クライマックスで旧作のニヤリとするオチに持っていかず、ベビーフェイス役者らしい展開にガッカリ・・と思わせて、ラストのサミュエルによるMrアメリカの咆哮はスゲエ落とし方だ。このラストのために、冒頭からずっと伏線を張っていたとは!米国人監督ではできまい。