キングスマンの続編を観てきた。スマッシュヒット作の続編らしく、スケールアップして俳優陣も豪華になり、派手になったのは予想通りだ。
監督も同じマシュー・ヴォーンで主たるメンバーも変わらない。となれば質的な変化も無いので安心して見られる。ギャグに近いグロ場面や、あっさり主要人物を切り捨てる展開はキングスマンならではの個性である。だからこれについては、好みで無かろうが否定はしない。それでもハル・ベリーやチャニング・テイタムの扱いには首を捻るところ。以前のハル・ベリーは、X−MENでの出番が少ないと噛みついたものだが、50歳を超えて丸くなったのだろうか。パート3の主メンバーになる予告扱いなのかもしれない。
キングスマンは知名度からコリン・ファースが筆頭のような扱いを受けるが、明らかに主役はタロン・エガートンだ。しかしこの役者、華がないのかその後も大した役に恵まれていない。若かりしマイケル・J・フォックスのようなイメージとダブるので、大変物足りないのである。
敵のボスにジュリアン・ムーアが登場するが、これもまったく物足りない。60歳近いオバサンに無理はさせられないということか。前作のソフィア・ブテラとサミュエル・L・ジャクソンのコンビは最高に魅力的だった。
エルトン・ジョンをまともな役者として、本人役をさせるのには驚いた。また、実に気色悪く不快極まりない。
今回、何故か若いオナゴがまったく活躍しない。著名なオバサン二人が動かないのなら、せめてクライマックスまで若いオナゴで彩りを添えるべきだろう。
総じて、豪華なコマを揃えたのに生かすことなく、CGばかり派手になって全てが物足りなくなった失敗作と認定だ。