シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ザ・バッグマン 闇を運ぶ男

昨年のB級サスペンススリラー作品。主演がジョン・キューザック。その対極にロバート・デニーロという興味が引かれる一遍だ。
 本作は正直言ってガッカリものであるが、2人のベテラン俳優が味わい深く演じているのが救いである。主演のジョン・キューザックは、ベビーフェイスなので、若手の頃は役者として損をしていた。しかし、年齢と共に渋さが増して今回も彼ならではの個性的な殺し屋を魅せてくれている。腕は立つがどこか抜けていて、人間くさいという人物像がこの作品の鍵にもなっている。
 デニーロは一線を退いてから作品の質にこだわらず、著名な役者と競演してやろうという意図をよく見受ける。本作もその例に漏れない。もはや趣味なのではないか。年を経た役者としてそのスタイルは正しく、羨ましいものだ。
 で、そんな2人が頑張っているのに、なんというつまらないクライマックスであろうか。これは原作そのものがイケナイと思う。見込みはあるが落ち目の殺し屋をテストするプロットと、その結末がまったく適さない。最終的にデニーロはそんな悪いヤツじゃないじゃないか・・と消化不良を起してしまうのだ。そして、監督の技不足から、問題のカバン目当ての男達に動機付けがないので、何故何故?が後半になると沸いてくる。振り返ってみると、むやみに何人も殺しまくった悪人は主人公とその女であり、金を得てハッピーエンドになることが不快な印象だ。
 最近、オイラも面白い低予算映画を見付ける霊感が無くなってきたようである。