シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

トリニスターミニSE その2

 比較試聴は簡単。背面に2つのスイッチがあるのをOFFかONにするだけだ。このスイッチはレベル調整ができるが、オイラは最大とした。FALは能率が高く、トリニスターが想定している最大能率よりさらに高いからだ。
 音の違いは明らかである。なにせ、トリニスターから結構な音が出ているからだ。これで違いが分からぬようでは趣味を変えたほうがよい。誰もが認めるであろう変化は、驚きべき音像表現力だ。これほどクッキリとボーカルが見える例は聴いたことが無い。もちろん、ボーカルに限らず、一つ一つの音がまさにピンポイントに定位し、スピーカーは存在しなくなる。FALはこの手の再現が圧倒的に優れたスピーカーであるが、さらに上があるのを実感した。
 注目する技術だ。なぜなら、余分な音を削った結果ではなく、新たに音を加えてこの再現を魅せることが信じられないからである。しかも、今回メーカーの指示した置き方ではないのだ。
 借用した初日の試聴で、もはや後戻りはできないと覚悟した。自宅のメインスピーカーの一部になる予定であった。ところが・・そうはならないのである。
 その後多忙な日々に明け暮れ、再度試聴できたのは5日後であった。もはや買う気満々であり最終確認のつもりだった。なのに、どうも踏み切れないのである。
 たしかに凄まじい音像の実在感だ。切れも凄い。オーディオマニアが望んだ音が再現されている気がする。しかしホっとリラックスできない厳しさが引っかかるのだ。ふわりとした柔らかさとは対極の方向であり、包み込む音場とは世界が違う。また、遠くの音までクッキリ聴こえることは良いばかりではない。近くに存在を感じてしまうので奥行きが浅くなった気がするのだ。自然な景観を思えば、遠くの物体は霞が掛かってボケているのが当然なのである。
 トリニスターが加わった音はよりオーディオ的に優れているが、安らぎは減退していると再評価した。試しに、メーカーが推奨するメインスピーカーより前に置いてみると、さらにその傾向が顕著となった。
 ステレオの欠点を補うトリニスター。その優れた効果は分かった。しかし、リビングオーディオの求める世界とは異なる気がした。

正規の置き場所へ。なんて邪魔なんだ。