シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ECLIPSE

 ここでいうECLIPSEとは、富士通テンのスピーカーのことで、カーナビの話ではない。
このECLIPSEシリーズでは№2といえる「TD510ZMK2」を試聴してきた。実は昨日試聴会があったのだが、勤務日で断念して本日出向いた次第で、むしろ一人で独占試聴できるし、評論家の提灯持ちな講話を聞かなくて済むから幸いであった。
 ECLIPSEシリーズといえば、タイムドメインという理論のもと、小口径フルレンジを卵型エンクロージャーに収めた独自性の強いものであって、試聴したTD510ZMK2はスタンドマイクのお化けみたいな風体である。
 さて、その音であるが、試聴用のオーディオ・チェックCDを使い、デノンの駆動系で行った。まず、そのスピーカーの存在が消える音場形成はすごいの一言だ。音像のリアリティも鳥肌が立つような存在感を呈する。奥行き表現が得意のようで、まるで円形ステージを見るようである。そのかわり、前に出てくるボーカルや切れ込む打楽器は望めない。フルレンジにしては帯域が大変広く、重低音の量感こそ無いがレスポンスは感じられる。オルガンのような持続低音なら違和感が無いが、ベースやマリンバのような楽器は小口径なりで、言い換えればバスレフらしくない再現だ。高域端も細身で切れ味が不足するのはフルレンジゆえであるが、シャリついて煩いツイーターよりよっぽど良い。地味で大人しいとも言えるか。
 能率は低いので、パワーのあるアンプが必須だ。このスピーカーは音楽の正確な再現を目的に作られたのだから、モニターとしての使用に最大のパフォーマンスを魅せるのだろう。しかし、音楽の楽しさを再現する目的には間違いなく合わないとみた。
私的にはこのスタイリッシュなTD510ZMK2を買うなら、野暮ったいFALのSupreme-Sを勧める。