シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

伊400

 歴史秘話ヒストリアというNHKの番組がある。その名のとおり、歴史上あまり知られていない史実をピックアップした大変面白い番組だ。この番組で先日、伊400という旧日本海軍の潜水艦を主役とした1時間半の特番を深夜に放送していた。これが実に興味深いものであったのだ。
 太平洋戦争時、日本の海軍は大変な開発力を持ち世界最大の戦艦を建造した。それは言わずもがなであるが、世界最大の潜水艦も建造していたという事実はあまり知られていない。それが伊400で、大和と同じくその実力を発揮する前に苦渋の終戦となった。
 この伊400型の潜水艦がすごいのは、世界初の潜水空母であって戦闘機を3機格納しているという恐るべき技術の結晶だったのだ。さらにその120mを超える巨体には、8門もの魚雷発射管を備え、甲板には巡洋艦並みの14cm砲が据えられていた。しかも給油無くとも地球を一週半できる航続距離を持つという、恐ろしい性能を有していた。これは資源の少ない日本が米国と渡り合うには、戦争を早期決着に導くしかないと判断して、本土攻撃用に開発した秘匿兵器だったのである。
 この番組では、その開発と数奇な運命を辿って映画さながらの感動を与えてくれた。この世界最大の潜水艦は結局活躍の場を与えてくれなかったのだが、史実として計画され実現一歩前まで迫ったシミュレーションを見事に漫画で体験することができる。それは、紺碧の艦隊「パナマ運河爆撃す」という話で、ぜひ興味のある方は見ていただきたい。
ドイツの敗戦が遅れていたら、実現していた可能性の高い計画であったのだ。