シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ブラインドマン

 新しいアメコミヒーローではない。リュック・ベッソンが原案、製作のB級ノワール作品だ。
 ベテラン刑事と盲目の殺し屋との対決を描いたものだが、盲目の殺し屋といえば日本には「座頭市」という名作が昔からあるので、満足のゆくキャラを魅せるのは容易ではない。
 本作はベッソンの初期作品にある憂いや陰りが色濃く、地味ではあるが味わい深い。オイラはフランスの俳優はほとんど知らない。しかしこのベテラン刑事と盲目の殺し屋の俳優は、その渋い演技が緊張感を高めていて気に入った。特にジャック・ガンブランという男優は注目株だ。
 妻を事故で無くしてから自殺願望の刑事という役は、「リーサル・ウェポン」と同じだ。よくある設定といっていい。そのかわり、彼に恋心を抱くファザコンの同僚、主人公の息子がゲイといったシチュエーションは新味がある。
 さあ、肝心の殺し屋はどうかと言えば演出がイマイチである。このリアリティのない演出は、おそらく監督が若造であることに起因しているに違い無い。ベッソンが監督までやれば絶対こんなボロは出さない。クライマックスの両者が対峙した緊迫の対決は良い。残念なのは殺し屋の銃から弾倉が抜いてあったオチだ。悪くはないが古すぎる脚本で、韓国や香港ノワールを手がけてきた人には笑われそうである。
この作品は、眠れぬ夜に何気なくTVを付けたら深夜映画で放映していた・・という鑑賞法が似合うだろう。