シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

カイジ

 カイジとは、賭博漫画の主人公で、この作品を世に出した福本伸行氏は、他にも「アカギ」といった有名な作品がある。いずれも博打における人間の心理描写やギャンブルの非情性を描かせたら、右に出るものはいないだろう。
 ギャンブル好きな主人公カイジの設定は、社会の落ちこぼれであるが、人情に厚く、社会巨悪を憎む。唯一の取り柄は天性のギャンブルの才能だ。この漫画の緊張感に満ちた博打の世界観が大うけして、ついに映画化となる。
 1作目の「人生逆転ゲーム」はオイラも映画館に観に行った。所々に原作の美味しいネタを展開して、最後まで緊張の糸を切らさずに視聴者の目を引きつける。原作の流れを知っている人間が見ても特に違和感を覚えることもなく、むしろ上手く編集して時間枠に収めたと関心した。なにより、ギャンブラーの心理戦がメインとなっているのが最大の魅力だ。
 そして昨日、2作目の「人生奪回ゲーム」をレンタルして観たが、これはいただけない。間延びした編集の不味さが露呈している。なによりもギャンブルが焦点になっていないのがマズイ。不要なキャラを導入して、親子の確執と和解なる綺麗事を持ち込んだがために、カイジの世界観が総崩れしてしまっている。所詮違法な博打の話なのだから、そんなものは主題になり得ない。憐れ、今をときめく吉高由里子がこの世界観にはまったく邪魔者である。
 原作の「沼」と称する1000倍台のパチンコ勝負を大舞台としたのもチョイスミス。起死回生のカラクリを早々披露してしまったので、後は心理戦も何もなく、ただギャーギャー騒ぐだけに終始している。クライマックス後録もなぜこんなにダラダラと長いのか。

人生逆転ゲーム  これは面白い。

人生奪回ゲーム  2作目はつまらないの定石どおり。