シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

原作と映画化

 映画を楽しむには、どうしても原作の存在が無視できない。オイラは極力無視して映画そのものを楽しむ趣向であるが、そうもいかない場合もある。

 先日、ゲームが原作のモンハンを観て、このケースは先にゲームありきだと感じた。映画を観て、このゲームをやってみたい・・とは思わないだろう。漫画のアニメ化もそんな気がする。これはアクション主体の作品ほど、その傾向が強い。

 では原作が小説の場合はどうか。昔、角川が隆盛を誇っていた頃に「読んでから観るか、観てから読むか」というフレーズがあった。双方を輩出していた角川作品らしいキャッチコピーだったが、これはオイラ的には明らかに映画を先に観るべきである。それは経験的に小説を楽しんだ後に映画化を観ると、ほとんどが幻滅するからだ。自分の脳内で構築された世界とのギャップが必ずあり、また時間的制約から深く踏み込めない映画のデメリットが大きい。これが映画を先に見てから元となる小説を読むと、複雑な人物関係やアクションなどのシーンが想起しやすい。その映像枠に固定してしまう欠点もあろうが、今どきの映像表現は想像力に引けを取らなくなった。そして、何よりも小説は人物の心情変化や、映画でカットされるサイドストーリーが充実しているので、後から読むと逆に満足するのである。

 ある意味、スピード重視のアクション映画ほど演技が難しいのではないか。原作にある細かな感情変化を僅かな時間で表現しなければならない。しかし、それができるほどの演技派俳優はアクション主体の作品に参加しない。渾身の演技もカットされる可能性が高いからだ。だから素晴らしい原作も映画化すると中身の薄い作品になりやすいと感じている。