シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

エソテリック K-05対X-01D2

 エソテリックが2006年に発売したCDPの頂点、X-01D2がディスコンの展示処分品として売られている。この正式な後釜がK-01であって、至る所でその進化を褒め称える記述を見た。              では現時点でX-01D2はどれぐらいの実力なのか。
 そんな興味から、例のK-05と対決させてみることにした。その価格差、約90万円!5〜6年間のデジタル進化は、その物量差を埋めるのだろうか?
 懇意の店で比較するので、システムはJBLの高級機をエアータイトで駆動する耳慣れないものだ。同じ耳タコ試聴ディスクを2枚用意してトレイに収め、並列接続して即座に切り替える手法を取った。セッティングの違いやケーブルの違い等、厳密な比較ではないが、概要は掴めるだろう。
 アンプが温まるまではその差はほとんど分からない。その結果は・・まず意外だったのは、巷の噂や試聴記事などの印象と正反対な一面があったことだ。
 X-01D2の高域は実に大人しく、低重心のバランスであるのに対し、K-05は実に鮮やかでクッキリとした高域で魅せる。フレッシュな印象が強い。ちょっと聴きではK-05の方が惹かれる音だ。
 さらに機器が安定してくると、様相が変わってきた。K-05は音像が横一列のノッペリした音場である。X-01D2は音楽に起伏を感じ、音場も前後左右に立体感があるのだ。誤解の無いように申し添えたいが、大型JBLのセッティングが芳しくない。中低音が付帯音でモコついてる事から、K-05が奥行きのある音場を形成できないのは当然なのだ。しかし、同条件なのにX-01D2は、付帯音という壁に穴を穿つだけの強い芯があるということだろう。店長も同じ印象のようで、どうやら電源とメカの差が効いているのではないか。
 K-05がフラットなのに対して、X-01D2がピラミッドバランスなのは時間を経ても変わらない。ふと、アントニオ猪木引退試合を思い出した。当時、ガチンコで売り出し中のドン・フライと円熟のピークに引退する猪木。その戦いの展開と結末が今回の比較対決と相似している・・実に感慨深い。

往年の覇者、X-01D2
この贅を尽くしたCDPのメカ動作は、宇宙船のエアハッチのようだ。