シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

陶器のスピーカー

 陶器のスピーカーは昔からあり、ジョーダンワッツのフラゴンが有名だ。日本でも信楽焼のスピーカーなど、ガレージメーカーが芸術性の高い作品を作っている。

 主流になれないのは、大型が作り難く衝撃に弱いという欠点が拭えず、コストも高いのが理由だろう。芸術作品として手作りされることによって、この手の趣味人に愛されるマイナーなカテゴリーだ。オイラはオーディオ趣味人なので、どんな音がするのか以前から興味を持っていた。そして・・つい、衝動買いしてしまったのだ。

 懇意の店の中古コーナーに入ると、昔の銘品が増えているのがすぐわかった。こりゃ相当なマニアが放出したな・・ワクワクして物色していると、一際光る不思議なスピーカーに目が留まった。なんだ?このキュートな物体は!

 商品名はINAX QX-100とある。INAXって、大手サニタリー商品のあのイナックスか?スピーカーを作っていたとは知らなかった。しかし・・なんて愛らしい姿なんだ。店員に頼んでちょっと聴かせてもらう。するとビックリ!BOSEの商用スピーカーから切り替えたのに音がグンと大きくなった。なんて能率だ!こりゃ面白い。当然低音は望めないが、明るく開放的な中高域が魅惑的。オイラは主要機器の選択はいつも石橋を叩いて熟考するのだが、もう欲しくてたまらなくなってしまった。とりあえず商談中にして帰り、一度冷静になって詳細をググることにした。

 すると、これは1980年代のバブル時代に生まれたもので、INAXがシャレで作った物のようだ。その名もバブルボーイ、色が選べたらしいが白がオバQみたいで可愛い。ユニットはどうやらFOSTEXOEMらしい。UP-103のようだ。オイラはこのユニットを知らなかった。自作スピーカーに嵌っていたのは1990年代で、その頃はもうカタログにUPシリーズは無かったのだ。このユニット、大型マグネットにフレームがアルミダイキャストと豪華である。しかしウレタンエッジだったため、今ではボロボロに加水分解している。店にあったものは、黒いラバーエッジのようだったので張り替えたのだろう。

 価格は当時の定価の半額だ。30数年前のスピーカーが半額とは実に高い。明らかに希少性のプレミアが付いている。さあ、どうしようか。と言いながら、もうどこに置こうか思案している。翌日、大事にダッコして持ち帰った。   ~つづく~

この時は、予想外の事が起きるとは思いもよらなかった。