シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

SISU シス 不死身の男

 2023年公開のフィンランド製B級ミリタリーアクション作品。当然、俳優もスタッフもまったく知らない。主人公の爺の容姿が凄いインパクトで、90分以内に観られるからチョイ観たくなった。

 これは久しぶりにアタリだ。これぞB級テイストの極み、第二次世界大戦末期のフィンランドを舞台にローカルな視点で繰り広げられる痛快バイオレンス。始めオイラは、その荒涼としたマッドマックスのような風情に、マジなリアリティ作品かと思った。しかし、あまりにも新鮮な戦いぶりにコメディの要素が観られ、血生臭い描写がスパイスの類になってきた。これは上手い演出だ。

 ナチスの兵隊が英語をしゃべっているのに違和感もあったが、コメディ要素が大きくなるにつれてツッコミ所ではないと分かった。何をしても死なない主人公にナチスがビビっていく様子が分かり易いと思う。

 とにかく絶体絶命な場面を、考えたことも無い斬新なアイディアで乗り越えていく爺の姿が凄い。そんなのアリか?とポップコーンが喉をつかえそうである。開いた傷口を処置するシーンは、もうランボーが目を丸くするに違いない。クライマックスになると完全にイケイケのコメディで、もはやアメコミのヒーロー像に笑えてくる。

 主役は劇中ずっと無言である。こうした演出は珍しくは無いが、本作の主人公には寡黙な不死身の男が絵になっている。最後に一言、銀行でボソっと喋るのがまたいい。


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