シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

Mr.&Ms.ストレンジ

 2022年製作のカナダ製B級ロードムービーで、日本では劇場未公開。

 この邦題は超大作の「Mr.&Mrs. スミス」にあやかったもので、同じようなものがいくつもある。これは配給会社が鼻から駄作と言ってるのと同じである。薄利多売の一つだ。そんな情けない扱いをされた本作は、スパイ活劇でもなければコメディでもない。麻薬組織に泥棒に入って、車を盗んで逃走。そのトランクに親分の子を身籠る女が・・かくして2人の逃走劇の始まり。大変シンプルで、何の説明も無く映像だけで物語る。

 役者は、悪役のヴィニー・ジョーンズ以外はTV俳優で、主役のジェームズ・クレイトンが監督を兼ねている。いわゆるB級役者が自己満足のために作った作品だ。ツマラナイで片付けるのでは90分時間をただ潰したことになるので、ここにアップした。

 予算上、派手なアクションも無いが、安っぽいCGを使わずに素直な演出である。だから観ていてダレる感じは無く、最後までサラっとみる事が出来た。ユニークなのは、主人公の相方となる女性が妊婦なので、よくあるデコボココンビが最後にラブコメに行きつく話ではない。しかも、本作で一番の悪党は主人公であって、最も可哀そうな被害者は麻薬組織のボスである点が面白い。このボスは最後まで自分の妻と盗まれた金を取り戻そうとしているだけなのだ。観客は麻薬組織というだけで、どんな哀れな話でも悪人として違和感を持たない。こんなパターンは過去にも観た事が有り、コメディでもないのに悪いヤツには何をしてもいいという風潮が実に興味深い。

 全体の風情からも、アメリカの田舎町にあるドライブインシアターで観るような作品である。


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