シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ピッグ/PIG

 2022年公開の米国製人間ドラマ。

 本来、オイラが評価するジャンルではないので、ランクの選別は無い。ではなんで観る気になったかというと、ニコラス・ケイジが主演だから。まあ、それでも多少はサスペンスやスリラーな要素を魅せるだろうと思ったのだが、まったく無い。実に地味なヒューマンドラマである。

 話は、世捨て人と化した主人公が、奪われた豚を取り返そうとするだけ。そのシンプルな行動を、アクションもなく主人公の存在感だけで引っ張る。このニコラスの演技が凄い。実にはまっている。ドラマはブタの捜索の中で、登場人物各々が避けてきた過去の重大な損失と再び向き合い、新たな人生を迎えるまでを静かに描く。こうしたドラマは、アクション大作が作り難い日本映画がやりそうなテーマだ。

 シンプルな話のくせに理解できないシーンが多いのも難点。例えば主人公を襲いブタを奪ったジャンキーが早々に見つかるが、何も攻めようとしない。街に下って裏社会の殴られ屋の賭け事をするシーンは何のためなのか。会話の中で、主人公が突然大昔の地質変動による街の成り立ちを話す意味は何か。レストランのシェフがなぜ暗黒街のボス並みに街の有名人なのか。

 本作は批評家から大絶賛され、落ち目のニコラスが挽回した作品と見られている。しかし、オイラにとっては評論家の推薦する作品はつまらないという定説の代表だ。


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