シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

マーティンローガン CLSⅡ

 懇意の店に珍しいスピーカーの中古が入ってきた。それが表題のスピーカーだ。

 マーティンローガンという静電型のスピーカーを知ったのはかなり昔である。古いオーディオ誌に、神崎一雄評論家が自宅で使っている写真が載っていた。そのとき、この衝立のようなスピーカーは何だ?と興味を持ったものだ。同社の現行品は、ウーハーを通常のコーンユニットにして細身になっているので、オール静電方式は貴重である。さっそく聴いてみよう。駆動系は古いマークレビンソンでCDPはフィリップスだ。

 こりゃまた独特な世界の音だ。正面で聴いた第一印象は、粗や棘といったものがまったく無く、サラ~と清流のように音楽が流れていく。当然、切れ込みといったものはない。高域はナローで伸び切らず、低音は意外なほどの量感で、音像は無いに等しい。BGMにピッタリの音であるが、それにしては大げさな容貌である。

 左右の指向性が狭いようで、昔の液晶TVを思い出す。両スピーカーの間に入ると、まるでスピーカーの背後に音源があるかのような奥行感が面白い。これは背後にも同じ音が出ているからで、位相はどうなっているのだろうか。低音がこれだけしっかり出るのが実に不思議だ。

 このスピーカーを使うなら、壁から離したFALのようなセッティングが魅力を出すだろう。意外と、狭い部屋でニアフィールドになってもいけそうだ。駆動系はアキュの弩級を使えばもっと解像度とレンジが伸びてくれるに違いない。