アコリバのXLR-1.0TripleC-FMを借りて自前のエクリプス3と比較し、有意差ないなあと思った翌日再トライした。今度は両ケーブルの端子を磨いてからチャレンジする。オプソルの端子クリンで磨くと、酷く汚れているじゃないか。貸し出しケーブルなんてそんなものだろう。さあ、どうだ。
おお、これは確かに違う。音のコントラストやメリハリがハッキリしている。そして音圧が高く感じられ、ボーカルの輪郭がにじまず、オーケストラが遠方まで分離して見通せる。クリアな間接音で音像は小さく音場は広い。帯域バランスは変わっていないはずなのに、中低音が力強く重心が低く感じられる。これは元に戻れんだろうな・・と、今までなら即購入となっていただろう。しかし、今のオイラはパート仕事で暮らす身分なので慎重にならざるを得ない。心理的に後から聴いた方が良く聴こえるもので、3日目に試聴の順番を変えて再々トライするとしよう。
3回目の試聴だ。結果は概ね2回目の試聴と変わらないのだが、別にアコリバの方が音圧が高い訳でもなく、重心が低い訳でもない。そして、エクリプス3が劣るわけでもない。その証拠に、あらゆるファクターで負けているエクリプス3に戻しても、あまり不満を感じないのだ。ワイヤーワールドは存在感ゼロを目標としているメーカーだが、中級品のエクリプス3はXLR-1.0TripleC-FMと比べると響きがフワリとしている。解像度が下がって聴こえる理由がそこにありそうだ。それは混濁に至らない微妙なレベルであって、逆にそれが心地よさや保守的な安心感を覚えるのかもしれない。
XLR-1.0TripleC-FMは中古品でも10万円前後もする。もっとCPの高いものもあろうし、そもそもケチなオイラらしくもないか。というわけで購入には至らなかった。
XLR端子を磨くのはこれしかない。