シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

朝ドラ「エール」終了

 エールが終了した。新型コロナによる影響で撮影困難となり、途中中断という前代未聞のハプニングを挟み、2週間分の短縮を持っての大団円であった。

 個人的には好意的だ。作曲家の小関裕而をモデルとする半伝記ドラマであり、朝ドラの得意とするパターンである。子供時代から様々な出会いと苦難を乗り越え、お決まりの戦争時代を経て華々しい経歴を残して終える。まったくもって新鮮味はない。それでも、志村けんの初ドラマ出演にして遺作となった話題性もあって注目の作品だった。

 戦争時代をドラマに入れると、どうしても話は暗くなる。その苦難を描くことでドラマチックな展開と厚みのある作品にしやすい点から、ドラマの時代チョイスが昭和初期にしたくなるのだろう。今回は戦争をよりダイレクトに捉え、受け身としなかった事で成功した展開だと感じた。主人公の戦時歌謡のヒットで、敗戦後の苦悩をストレートに魅せたのは正解だったと思う。

 俳優の演技も好印象を持った。特にヒロインの二階堂ふみはオイラは大好きな女優だ。演技の幅が広くてコメディから真剣なシーンまで嫌味が無い。今回も周囲が目に入らない主人公に対し、周りの感情の機微にピンとくる理想的な妻を上手く演じてくれた。

 しかし後半になって駆け足で進み、どうしても老後の主人公達をやっつけ仕事のように終えるのが朝ドラの欠点だと感じるところだ。オリジナルストーリーならそんなことは無いのだが。実在のモデルがあろうと、中途半端に老後の表現をするくらいなら不要だと思う。