2021年公開(日本未公開)のB級SF作品。
ブルース・ウィリスが失語症で俳優引退となり、ラジー賞受賞が撤回された作品である。そう聞くと、怖いもの見たさでついレンタル。案の定、金返せであった。このシロウト監督はこんな見苦しい作品を世に出して正気なのだろうか。映画を勉強する学生にでもアドバイスをもらった方がよかろう。
あらゆる所で酷評されているので天邪鬼としては褒めてあげたいけど、良いとこがカケラも無いのである。もはや内容は評価の対象外であろう。失語症とは関係なく、そんなものにラジー賞を与えればまったくジョークで無くなってしまう。
オープニング・クレジットを見て、ブルースよりフランク・グリロの名が先に出てくるのには頷いた。ブルースが主役を譲るのは自然である。ところがグリロは何の活躍もせず、主役どころか脇の脇扱いだ。これは酷いサギである。出演オファーを受けたとき、それを承知ならば彼は正真正銘のアホだ。
近年のブルースは日本のVシネマレベルの作品に多数出演してきた。おそらく引退を見据えた老後の資金稼ぎだったのだろう。これはこれで、プライドを捨て去った仕事師としてアッパレであったと思う。