シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

エクスパンス -巨獣めざめる-

 エクスパンスは稀有なハードSFのTVシリーズで、シーズン6まで製作された。副題に「巨獣目覚める」とあるのは勘違いしやすく、まったくもって不要だ。

 本作の概要は、内惑星系に進出した人類のリアルな紛争劇であり、異星物や太古の異星人による超ハイテクなどは戦国時代の鉄砲みたいな扱いとなる。あくまで主題は国家間の緊張に満ちた争いと人間関係がジワジワ描かれる。したがってテンポは緩やかで、シーズン1はその世界観を理解するまで苦痛と睡魔が強いられる。それを経ると、シーズン2以降はとても理解しやすく楽しめるようになる。そんなだから、金の掛かるリアリティ描写に見合う視聴数も伸びず、シーズン3で打ち切られる予定だった。それを熱心なファンが復活させた経緯があったらしい。オイラはシーズン2以降止まらなくなり、一気に最後まで観終えてしまった。それほど面白かったのだが・・明らかに性急で尻つぼみのクライマックスと、多くの伏線を残したままの打ち切りに失望感が絶えない。

 何故こんなショボいラストになってしまったのか。しかも、シーズン5の時点でシーズン6をもって終りだと承知していたらしいので尚更変だ。最終シーズンがたった6話しかなく、その中で回収できないサイドストーリーを始めている。たとえ原作がそうであろうと、先が見えている放映枠での締め括りを考えそうなものである。

 原作ではシーズン7以降も執筆されているそうだが、さらに28年後の世界に飛んでいるらしく、そもそも伏線を張る意味すら無いではないか。これはその後のスピンオフ作品が作られなけれはファンの気は収まるまい。「セレニティ」は1シーズンの途中で打ち切られ、3年経ってコアなファンの力でその後が映画化された。本作もそうあって欲しい。愚作で終わるにはもったいない作品だ。


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シーズン3の途中から巨大なリングが登場し、「スターゲイト」の趣がでてきたが、あくまで国家間紛争を主題にしているのは好ましかった。