シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ライフ

 2017年公開の米国製SF映画。密室劇なれど、豪華な俳優陣を敷きA級の予算を掛けたSF作品だ。

「エイリアン」のストーリーをハードにリブートしたと言ってよい作風。主役はジェイク・ギレンホールで、周囲をレベッカ・ファーガソン真田広之ライアン・レイノルズなど。宇宙ステーションで未知の生命体との緊迫感のある戦いを描く。

 本来なら、無名の役者と使い古しの宇宙船内セットを借りて撮影に望むB級品の話である。それを有名な役者を使ってほぼ現代劇のハードSFとは・・チャレンジャーである。何故なら僅かなツッコミも許されないからだ。ビジュアル的にはとても頑張っていた。それでいて専門知識が無くても展開がとても分かりやすい。ただ、未知の生物があまりにも力が強く、成長と知能の発達が早すぎるのが苦笑ものだ。スタトレぐらいのSFならエンタメとして許せるのだが。

 ストーリーにも違和感がある。船外からスラスター噴射をかいくぐって船内に侵入したあと、半身不随の生物学者の足からでかい図体が出てくるのは変だ。また、ステーションを地球軌道から押し上げるため、ドッキングにきた宇宙船も違和感がある。助けに来たわけではないのに、ハッチが簡単に開くのはなぜ?

 そして問題のラストだ。あの結末はオイラにはいただけない。あれはまさにB級映画でやるべきもので、素直に主人公の計画通り自己犠牲が地球を守った話にすればよかった。あのどんでん返しを納得させるには、急成長のエイリアンが宇宙船を操作して軌道を変えたと考えねばならない。もはや現代ハードSFではなく、70年代SFのプロットで落とした感が強い。

 本作は演者に演技を魅せるなとハードに拘ったくせに、面白く魅せようと自ら墓穴を掘った作品だ。


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