岸部露伴はジョジョ・シリーズのパート４「ダイヤモンドは砕けない」に登場するキャラクターだ。漫画公開当時、まさかこれほど人気のサブキャラになるとは思わなかった。特異能力の格闘系漫画の中で、人を本に変える能力は実に地味だ。しかし地味なスタンドを屈指して、驚きのアイディアで相手を翻弄するのも醍醐味の一つ。ジョリーンがよい例だ。そんな岸部露伴を中心としたスピンオフが表題の作品である。
これが年末年始、NHKでＴＶドラマ化された。たった3話であるが、原作からかなり風情を変えてサスペンス・ミステリー調に仕上げている。主演の高橋一生が実に魅惑的な味を醸していて、故・竹内結子の「ミス・シャーロック」と似た雰囲気がある。ぜひ他のエピソードもドラマにしてもらいたい。
しかし、本作をジョジョ・シリーズを知らない人が見たらどう感じるだろうか。ジョジョファンだから普通に見れるが、主人公のヘブンズ・ドアは、ミステリー作品の展開の中で実に突飛に見えるかもしれない。だからやはり、他の能力者も登場させた方が面白い気がする。
岸辺露伴 岸辺露伴は動かない 原作：荒木飛呂彦×主演：高橋一生のミステリー・ドラマ！
