寺島レコードが年に1回新作を出してきたJazz Barシリーズ。この最新作でなんと20周年を迎えた。ジャズに限らず、コンピュレーション・アルバムが20年も続いた例を知らない。そのテーマは「哀愁」であり、メロディを重視した寺島御大の意思がずっと変わらず反映している。
オイラは全てを持っているわけではないが、当初のアルバムはオーディオ的にデモーニッシュな音質の曲や、ボーカルもフューチャーしていてバラエティに富んでいた。そこから音質を重視した「FOR JAZZ AUDIO FANS ONLY」や、女性ボーカルに特化した「FOR JAZZ VOCAL FANS ONLY」といったシリーズを分化させてきた。そうした結果か、20周年の「Jazz Bar2020」は、より哀感のあるメロディが際立つトリオ演奏が集められている。とても聴きやすく、JAZZファンでなくてもお勧めしたい。深夜に小音量で流れるBGMとして最高だ。
最新作には20周年記念のカレンダーが限定付録されている。今までの秀逸なジャケットを集めたもので、これはカレンダーには勿体ない。パネルにして飾りたいところだ。