CODAに注目した理由を話してなかった。現状の音に不満があるわけではないが、この20年以上前の設計によるトランスポートが、我が家では誠に具合が良さげであるのだ。
まず、単体のお気に入りDACを持っている以上、やはり専用のトランスポートが欲しい。といっても今の時代、手頃なCDの専用トランスポートなんてほとんど売られていない。しかも、手狭なラックにフルサイズのコンポを置く余裕はもう無く、コンパクトなCODAが中古で手に入るなら願ったりなのだ。後は音だけである。
さて、さらなるCODAの可能性を見てみよう。自前のエソG-03Xでクロックを供給してみる。CODAにはワードシンク端子があり、44.1㎑なら接続できるのだ。この辺りは現用のCDPなら176.4㎑まで3段階で受信できるので物足りない。
しかしこれは効果絶大であった。ビシっと焦点が定まってにじみが払拭され、大変クリアな音に変身した。やはりクロックの高精度化は有益だ。前に出る濃密な音は変わらない。ただ、本機の個性が見えてきたのか中域にマッタリとした個性を感じる。フィリップスのメカによるものだろうか。
CODAにはディザースイッチがある。ノイズを付加して24ビット相当の味を16ビットから出すもので、弱音が強化されて古い大雑把なソフトには有用になるらしい。古いCDで試してみたが、イマイチよく分からない。昔のアイドルの声がさらにマッタリとしてきた気もする。
次は電源ケーブルを変えてみようか・・と思った矢先である。音が飛び、エラーが発生した。突然無音になるケースもでてきた。どういうわけだ?どうも2枚のCDでエラーが起きるようであるが、特に傷や反りがあるわけでもない。今まで無かったことである。取説を読むと、そんな場合はディスクの問題であって再生をやめろとある。しかしこれはお気に入りの試聴盤なので聴けないのは困る。音質優先で、読み取り能力がかなり繊細なのかもしれない。
改めて取説を読むと、その記述内容は実に高慢で鼻持ちならない。要約すれば余計なことは一切するなという内容だ。なにか問題があるとすれば、それはお前の使い方と環境に問題があると説教された気分である。
ファーストワットJ2もそうだったが、魅力的な機器を作る御仁は他を認めぬ偏屈者が多い気がする。
ディスクの出し入れが実にやりにくい。