ワイルド・スピードのスピンオフであるスーパーコンボを観た。これは番外編らしく、自由気ままに作られたA級エンタメ作品だ。
ワイルド・スピードは近年弩派手に進化してきたが、カーアクションを主体とするアクション映画というスタイルを誇示してきている。スピンオフの本作ではその辺の縛りを解いて、笑いと弩派手アクションの王道路線を貫いた。しかし、ファミリーを描くことは忘れず、若干幼稚な夢物語にテーマ性を持たせている。
主演はドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサム。もはや、観るまでも無く面白いに決まっている。お決まりの犬猿の仲から最後はスーパータッグでめでたしめでたし。敵の黒いスーパーマンを演じるのがイドリス・エルバ。負けない存在感を持たせるため、ほとんどSF映画風情になってしまった。ヒロインを演じるヴァネッサ・カービーという女優はよく知らないが、結構キレのあるアクションをこなしてキュートだ。腐れ縁の相棒の妹で、いい感じになってしまい、アニキは許さねえ~というパターンもよくある話である。
さて、本作でクライマックスをサモアの仲間と原始的な戦いに持っていったのはユニークだ。おかげで肉弾戦の見所が一杯である。ただ、妙につまらない会話のシーンも多く、おしゃべりなCIA職員と航空保安官は必要だろうか。この辺が地元アメリカでのウケ狙いなのかもしれない。日本人にはクリス・タッカー同様、ウザイだけに感じる。