2012年に公開されたブラックユーモア溢れる前作の続編。
ファンの力で製作に漕ぎついた「アイアン・スカイ」は、世界中でヒットし、倍以上の製作費をもって本作が作られた。続編の王道は撃沈するのが通例だ。突飛な作風でウケた作品は絶対続編で失敗するもので、これもその王道を突き進んでいる。
同じ監督が前作を超えようともがいても無理なのである。結果として、無駄なところに金ばかり掛けて無残な駄作になり果てるわけだ。本作は舞台を月面から地底内部といった架空の世界で終始しているため、身近な笑いに結びつきにくい。幼稚なドタバタ劇になる危険を予測できなかったのだろうか。宇宙人やロストワールドの要素をミックスして派手に行こう・・なんて発想は、企画段階で却下すべき稚拙なアイデアだと言いたい。
大した風刺も無く、コメディなのにまったく笑えない。さらにお色気も無い!今回もクラウドファンディングで多額の金を集めたらしいが、とても大人の鑑賞に耐えられず、金を出した人が哀れ極まる大失敗作である。