ID4の続編を観てきた。20年ぶりの巨大宇宙船再来だ。
キャストは前回のジェフ・ゴールドブラムやビル・プルマンは再演している。さすがにウィル・スミスは無理だったようだが、MIBで老けた主人公を演じた醜態を思えば正解だったと思える。
本作のユニークな点は、20年後の続編はまさにリアルタイムで別次元の世界観を魅せてくれることだ。2016年の時代に沿わぬ科学力と世界情勢は、まさにこの映画のパラレルワールドとして自由な発想を楽しめる。さあ、前作を超えたか?
大ヒット作の続編として、スケールアップは定石通り。宇宙船が笑えるほどデカくなって地球にへばり付く様は、もはや滑稽で自然界の法則にも影響大だ。本当なら、こんなものが接近しただけで地球生物は全滅するだろう。そこはエンタメ、随所に笑えるシーンも散りばめて作品の置き所を分かってあげるべきだ。
エメリッヒのメガホンらしく、そつのないデキで一応の満足は得られるが、前作の拍手喝采な出来栄えからは程遠いと言わざるを得ない。理由はいくつかある。
まず、ID4があれほどウケたのは、やはり主役の2人が光っていたことだ。本作の若手にはオーラがない。観終わって印象に残るのはやはりビル・プルマンと笑えるデータであって、ID4の魅力を証明してしまった。これは「SWフォースの覚醒」の失敗をそっくり引き継いだかのようだ。
さらに本作は派手になっただけであって、盛り上がるテンションがない。前作が素晴らしいのは、徹底的にやられた後の巻き返しの中で、出演者の皆がダメ人間からヒーローに変わっていく様にある。この高揚感は観るものを奮い立たせ、大統領の演説や出撃前の結婚式で感動の涙まで誘うのだ。
この続編はチープな銀河戦争の序章みたいな終わり方で、今後のTVシリーズ化でも画策しているのかと勘ぐってしまう。エンタメとして年齢層をグっと下げた大きなおもちゃ箱と評したい。
後で知ったのだが、どうも宇宙戦争になる3作目が計画されているらしい。
やれやれである。┐(´〜`;)┌