シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ヴァレリアン 千の惑星の救世主

 ベッソン監督によるスペースファンタジー大作。
 リック・ベッソンについては、完全に愛想が尽きたので100%期待していない。それでも借りて観る気になったのは、「フィフスエレメント」と同じ匂いを感じたからで、あの極彩色に溢れたスペースオペラと、シャレの利いた悪人が織りなすドタバタ劇の再演が観たかったからだ。
 金が掛かったA級品で、内容が大して無いのは分かっているし、どん底に落ちたベッソンの作品なのでハードルを極めて低く設定(笑)それなのに、輪をかけてガッカリさせられるとは・・流石である。
 著名な俳優、アーティストを散りばめたお祭り騒ぎは嫌いではない。また、異星人がうじゃうじゃ登場して楽しい映像は期待通りでもある。その目まぐるしい夢の楽園風情がこれでもかと展開する前半は、正直言って何の話かさっぱり分からない。まあ、それでもいいかと見続けていると、やっと物語の全貌が分かる。20秒ほどの説明ですべてが分かる単純な話だ。それも100歩譲っていいとしよう。
 大問題は、本作の主題が壮大なスペースオペラの弩派手な勧善懲悪ではなくて、ヒーローはヒロインと結婚した〜い・・ヒロインはまだよ〜ん♡・・といったどうでもいいラブコメに置かれていること。だからクライマックスもまったく盛り上がりに掛けてしまった。前半のスケールの大きさからすれば信じがたいバランスの悪さである。
 最後にパール星人はどうなったのか?誰もが気になるところは知らんぷりを決め込み、二人のイチャイチャでハッピーエンドとは恐れ入った。せっかく莫大な金と著名人をチョイ役で呼んだのだから、スケールのデカイ花火で丸く収めるぐらいはしてもらいたい。