「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」を観てきた。
ファンタビはハリポタと同じ世界観で展開する魔法ファンタジー。もはや知らぬ人はいないだろう。スタトレやＳＷと同様、コアなファンが世界中に存在する弩級の作品だ。ファンタビを最初はサイドストーリーと思っていたが、５部作設定らしいのでもはやスピンオフとは言えない。
時代はハリポタより古いので、この世界にコアであるほど楽しめる図式となる。ちなみにオイラはさっぱり詳しくない。ハリポタを何度かリピートした程度だ。それでも前作「〜魔法使いの旅」は結構楽しめた。主人公が動物使いという設定がいい。ドラエモンのポケットみたいなボストンバッグも、いかにも魔法使いグッズで悪くない。
主役のエディ・レッドメインはお気に入りの役者だし、ヒロインのキャサリン・ウォーターストンも「トランスワールド」で初めて知ったが、実に個性的でいい。ただ、２作観ても主人公の存在感が希薄に感じる。パッとしない性格の設定なので仕方ないが、オイラはこの陰気でシャイな正義感というのが好きではないのだ。エヴァのシンジ君を思い出す。
さて、第２弾はどうだっかというと、たしかにスケールアップして俳優も豪華になった。また、ハリポタのディープな世界に踏み込んだ感がある中、複雑になりすぎない配慮も伺える。しかし、ますます主役の個性が埋没していく印象が拭えない。視聴者の興味はランブルドアと黒い魔法使いの関係に集中してしまい、クライマックスの戦いも、派手なＣＧを取って付けたかのような失望感を覚えた。まあ、５部作の前半ゆえに中途で終わる消化不良な印象は止む追えまい。
ジョニー・デップも、落ち目のスターから悪役で返り咲こうと存在感を魅せ付けてくる。ジェード・ロウもしかりだ。脇役だろうと主役を喰うのに遠慮は無い。エディ・レッドメインは若手の中ではズバ抜けた演技派なんだから、もっと存在感を出せるような設定にしたほうがいいと思う。このままでは妙に煮え切らない。
