シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

カイジ 動物世界

 ギャンブル漫画の名作「賭博黙示禄 カイジ」を中国で実写化した作品。となると、当然日本で2009年公開した「カイジ 人生逆転ゲーム」と比較したくなる。藤原竜也の代わりに主人公カイジを演じるのは、若いころの織田裕二に似た人。その設定は、精神的に妙な妄想癖を持つ数学の天才。随分オリジナルと違う。根っからの博打好きで社会的に抹殺される人種ではなく、母親思いの恋人までいる貧乏青年になっている。

 本作では怪物を退治する妄想が時折りクローズアップされ、かなりの金を掛けて作られているが、まったく不要だ。こんな感じにしなければ本国やアメリカで受けないようでは、本当に幼稚な国である。

 さて、本作はゲームを限定ジャンケンに絞ったのが良かった。おかげでこの騙し合いと計算高いゲームの面白味が十分表現されていた。10年前に日本で作られた藤原竜也版は、色々と有名なシーンを取り込もうと欲をかいたので、若干散漫であった。まあ、それでも面白く観れたものだが。

 主題となるゲームを一つにしたのは賛成だが、主人公がギャンブラーではないため、頭脳の冴えた男のゲーム攻略という話で終わってしまった。つまり、ばくち打ちが極限の緊迫感を持って心理戦をする妙味はない。何の能力も無い男が、もがいて騙されて命を削っても・・それでもギャンブラーは救われないというテーマはここにはない。


映画『カイジ 動物世界』新予告編