スパイダーマンの敵役が、市場ではダークヒーローがウケるということで、立派に個性的なヒーローとして蘇った。
主役はトム・ハーディー。彼はA級アクションの脇で名を売ってきたラッキーな男で、悪役も多かったことからヴェノムという容赦なしのマンガチックな存在とマッチしている。しかし、この作品は実に薄っぺらだ。
シンビオートという異生命体との融合から、そのアクションに至るすべてが丸ごとCGで、魅せるものがない。内容からデザイン、キャラクターすべてが幼稚である。まあ、そもそもが漫画のキャラなので、刺激のある子ども向けと言われればそれまでであるが。
ズバリ一言で言って、哲学の無い「寄生獣」といったところだ。他、語るものはない。スーパーマンを揶揄するシーンがあるので、今後DCに寄生してやろうという布石であるなら感心するが。