アコリバのSPC-AVはFALと最高にマッチングがいい。今回、それが決定的になった。
FALにバイワイヤーはメリットが感じられないため、サエクのSPC−350をジャンパー線に使ってきた。SPC-AVと同じPC−Triple C素材なので、今まで何の違和感もなく使ってきたところである。
この頃、高域に単調な響きというか色が乗っているのが気になりだした。大音量になると顕著で、原因が掴めないでいた。ショートピンに制振材を貼ったりしたのは、その悪あがきだ。そこで、試しにジャンパー線を外すことにしたのである。
「SPC-AV その2」でも予告しておいたが、SPC-AVでSP端子を貫通してみよう。SPC-AVは単線なのでこれがやり易い。しかしそれだけでは面白くないので、オリジナル手法を加えたのが3枚目の画像だ。そして、その試聴結果は驚異的だった。
一聴して、音がハッキリ大きく聴こえてくる。懸案だった高域の単調な響きは消え去り、気が付かなかった細かな音が聞こえてきた。音場感はひと回り以上に広大となり、大変音抜けがスムーズだ。そして、信じがたいことに低音の力と厚みがグッと急上昇、それでいてまったく緩んでいない。これはトーンコントロールのバスレベルをアップしても絶対こうはならない。もはや全域であらゆる要素が改善してしまって、興奮のあまり手当り次第ソフトを聴きだす始末。わずか0.9㎜の貧弱な単線がこの音を伝送しているとは誰も思うまい。
このパワフルな大変化は、まるでアンプが巨大化したかのようだ。
これまでの状態。
SPC-AVを長めに剥いて貫通させる。
結線していないバナナプラグを刺して置く。これには3つの狙いがある。①ゴムキャップの無い中空構造のSP端子は叩くと盛大に鳴く。プラグを刺すことで、響きが治まるのだ。②貫通した銅線を上から押さえ付けて安定した接触を図る。よって、バナナはBFAタイプではできない。③中空になった端子から埃の侵入を防ぐ。