メイズランナー三部作の最終話である。
たしか6月に観に行くか悩んだ挙句、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」を選んだのだった。本作をレンタルして観て、こっちを劇場鑑賞すべきだったと後悔した。
前作の「〜砂漠の迷宮」は倍増した予算を無駄遣いした駄作であったが、最終話で挽回したと言っておく。SW3部作と同じ王道パターンの、「起きて、逃げて、反撃する」をなどり、しっかりスケールアップした派手な戦いのクライマックスにヒートアップしていく。とても第1作と同じシリーズとは思えないほど、A級SFアクションに仕上がっている。時間もかなり長くなっているが、まったくダレることもなく鑑賞できた。
ただ、迷宮をテーマとした個性はもはや無い。バイオハザードと同じ世界感で泳ぐような、ありふれたシナリオと言われても仕方ないだろう。
本作で初登場となるウォルトン・ゴギンズが注目だ。近年、癖のある脇役を演じたら右に出る者はいまい。その存在感はもはや劇薬で、出演時間を考慮しないと主役達は完全に喰われてしまう。
ラストの締め方が消化不良だと批判も多い。分からんでもないが、オイラはあれでいいと思う。むしろ細かい事だが、ラストで目覚めた主人公に髭一つ伸びていないのに違和感を持った。よくカット割りの連続で、設定が繋がらないミスが見つかることがある。これはその類ではなく、アイドルに不似合いと判断したのかもしれない。しかし、目が覚めて撃たれた傷が回復したシーンから新天地の浜辺への流れは、戦いから時間の経過を明示している。主役の苦悩と疲労の表現や平和な時間が戻った説明には、不精髭を生やすくらいの演出が必要と思う。