シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ヒューマン・ハンター

 2018年のニコラス・ケイジ主演、近未来B級SF作品。
 カナダ映画らしく、経済破綻と環境汚染、独善的政治の巨悪として米国を吊るし上げ、主人公一行が逃げる先が未だ自然豊かなカナダという、実にストレートな政治的思惑を見せつける作品だ。
 しかしアイディアは古い。荒廃した近未来設定ではよくあるパターンで、大昔の「ソイレントグリーン」や「ブレードランナー」、「リベリオン」など、この手のSFでは名作が林立して並ぶ余地はまったくない。ニコラスも老けた感が否めない。正直言って、今のニコラスが演じる役でもないだろう。彼ならもっと癖のある男を演じるべきで、こんなまともな主人公は売れない二枚目俳優にでも譲ればいい。配給会社も監督も、どうせこんな作品がヒットするとは思っていないだろう。逃亡する3人の関係をもっと色濃くもってくれば、ラストが感慨深いものになったかもしれないが。
 本作は金を掛けられないためか、都市部でのロケが少ない。荒涼とした田舎の風景が実にアメリカらしく、近未来といいながらも今の風情と変わらない絵を魅せる。深夜映画を眠れずに目にする程度でよい作品。