シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

受注生産品

 オーディオ商品の中には発注してから作る受注生産の機器がある。それはあらかた超高級品やプレミアムな商品だ。
 スピーカーに絞ってみると、FALのようにオーナーの希望に応じた組み合わせや容姿に作るものは、オーダーメイドなので別だ。ここで取り上げるのは著名なメーカーが大量生産しない特別あつらえの商品のこと。値引きは期待できないが、他にはない質の特別感が味わえる。こうした商品はいつまでも持っていたい気にさせる趣味性が強い。しかし、興味があっても店頭に置かれることはほとんどないので、耳にするチャンスはないのが現実だ。
 以前、ダイアトーンのDS-V9000というフラッグシップの中古を見聞したことがあった。その豪勢な造りはJBLやタンノイを寄せ付けない凄まじさだった。音もしかり、比較した4344が哀れに見えたほどだ。
 SONYのSS-AR1はその精緻な工作制度が売りだった。音質もB&Wやダリと対抗できるレベルだと思ったものだ。欲しいとは思わないが。
 オンキョーはD-TK10という小型スピーカーを受注扱いとした。これは楽器として作っているコンセプトから大量生産できないのだろう。価格も手頃なので、中古であれば手に入れてみたい。
 テクニクスのSB-AFPシリーズやSB-M10000なんて、一般家庭に置かない前提の特別品だ。ただし、受注生産品でもSB-M10000をジュニア化した手頃なSB-M1000というものもあった。この中古品が隣町のショップで鳴らされていたので聴いてみた。内蔵された4発のドライブユニットとパッシブラジエターから発するこの低音、他ではめったに聴けない質感と量感だ。視覚とのギャップも凄い。正面には14㎝のウーハーしかないのだから。スペインで作らせた箱は実に強固で贅沢な造りである。当時この受注品が1本20万円だったとは信じがたい。3倍の値が付いていても不思議じゃない。中古市場価格を知って驚愕、置き場所さえあれば超掘り出し物だろう。