ルネッサンス90は、インフィニティがピュアオーディオに力を入れていた全盛期のスピーカーで、構成としてはオメガの弟分といったところ。無論、独自のＥＭＩユニット搭載で、中域から高域までを受け持っている。この中古品を懇意のショップで久々にお目にかかった。
実は当時、このスピーカーを買おうか悩んで東京まで聴きに行ったものだ。結局、安価だったハーベスＨＬ5の展示品を受け入れてしまったのだが、今このスピーカーの定価66万円を見ると、異常なほどCPが高いと思う。箱の造りなんて、100万円以上のスピーカーの仕上げだ。
ショップのＵＳＥＤコーナーで鈴木重子のフラジャイルが流れていた。どのスピーカーだろうと探せばルネッサンス90である。ボリュームを上げてしばらく聴き惚れていた。なんて爽やかで繊細な音か！低音も軽やかで心地がいい。さらに、極小音量にしてもバランスが崩れないのに感心した。これだけ大型で微小音量に耐えるのはFALぐらいだと思っていたからだ。
古い割にはユニットの劣化や、目立つ箱の傷もない。左右に紫外線焼けの違いがあるが、両チャンネルを離せば気にならないし、スパイクの欠品は問題にならない。代用はいかようにもなるからだ。そんなで価格はビックリするほど安い！もし、今FALがダメになったとしたら、とりあえずこのスピーカーを買うだろう。そしてそのまま居座ってもまったく不思議じゃない。
