シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

懐メロが止まらない その2

 80年代アイドルはもうよかろう。今は60〜70年代の歌謡曲に注目している。
 もちろん、この当時のアルバムを再販する望みは薄い。手に入るのはほとんどがベスト盤で、それゆえに時代による歌唱の変遷やブームの移り変わりが楽しく聴ける。由紀さおりに始まり、あべ静江天地真理ちあきなおみと聴いてみて、これは・・という大きな期待が持ち上がり、ツタヤのレンタル落ち中古品を買い漁った。
 引田三枝子、坂本スミ子いしだあゆみ渚ゆう子、園まり、越路吹雪etc・・すると、ある共通点があることに確信を持つに至った。
 それぞれ10〜20年近いスパンの中で曲が選出されているが、曲として魅力があるのは例外なく前半のものである。それは今の時代に聴く音楽としても実にカッコよく、オシャレなのだ。
 音は概して硬いものが多い。特にアップテンポの名曲は例外なく硬く乾いた質感だ。しかし当時はブルージーやジャジーな曲も多く、ここにとびきりの高音質な曲が潜んでいたりするのである。たとえば、いしだあゆみの名曲「ブルー・ライト・ヨコハマ」は硬く乾いた感心しない音質なのに、「あなたならどうする」はズバ抜けて音が良い。ちあきなおみで言えば、「喝采」は響きもない平面的な録音でダメだ。しかし「私をもう一度」は実に立体感があって素晴らしい。
 例外なのが園まりだ。その多くが奇跡的な高音質で、厚みがあってSNも音抜けも見事。信じられないほど鮮度が高く奥行深く感じる。おそらくデジタルリマスターしたらダメだろう。あれは透明度は上がるが細身になってしまうから。